カテゴリ:建築関連 / 投稿日付:2025/07/05 18:00
建築条件付き土地 ライブバージョン
☆建築条件付き土地とは?
建築条件付き土地とは、その土地に建築する建物に条件が付けられた土地のこと。建築条件付き土地には、以下のような条件が設けられています。
- ◆売主もしくは売主指定の会社で建物を建てること
- ◆土地売買契約から一定期間内に建築請負契約を締結すること
※一般的に設定される期間は3カ月程度です。期間内に請負契約が締結されない場合、土地売買契約は白紙解除となり買主が支払った手付金は全額返金されます。
※建物を完成させた状態で土地とセットで販売する住宅を「建売住宅」といい、建築条件付きの土地に建てられる住宅を「売建住宅」と呼びます。
★建築条件付き土地の購入から入居までの流れ
- ①建築条件付き土地の売買契約を締結
- ②建物の間取りや仕様などの打合せ
- ③指定の建築会社と工事請負契約締結
- ④着工から竣工(引渡し)
- ⑤引越し・入居
建築条件付きの土地を購入してから入居までの流れは次のとおりです。①の土地の売買契約締結から ③の工事請負契約までを、契約条件で決められた期間内に進める必要。
注文住宅で土地から購入して建てる場合、一般的には、土地の購入と並行してハウスメーカーや工務店を探し、土地が見つかれば数社の間取りプランや見積もり金額を比較し、建築会社を決めます。
建築条件付き土地の場合、ハウスメーカーや工務店などを別途探す必要はありません。
注文住宅は、土地を購入してから建物の請負契約を締結するまでの期間は人それぞれ。
売建住宅は、土地売買契約から工事請負契約までの期間が契約上決められています。.jpg)
☆建築条件付き土地のメリット
◆建築条件のない土地と比べて価格が比較的安い
建築条件のない土地と比べると、建築条件付き土地は価格が安くなるケースもあり、土地の販売だけでなく、建物の建築を含めた利益を見込んだ価格設定が可能なため。
場合によっては建築費用で利益を上げることで、価格を抑えて土地を販売しているケースも。
建築条件付きの土地は、指定の建築会社で見積もり、工事請負契約を締結することが前提。
土地代金だけでなく建築費用も含めトータルで考える必要があります。
◆建物に仲介手数料がかからない
分譲住宅や建売住宅を購入すると、土地、建物を含めた売買価格に対して仲介手数料がかかることがありますが、建築条件付き土地の場合、土地には仲介手数料がかかるものの、建物には必要ありません。
土地は売買契約で購入し、建物は工事請負契約で建築する別の手続きだからです。
◆建築会社を探す手間がかからない
建築条件付き土地は、建築会社が指定されるため探す手間がかかりません。
注文住宅は土地探しをしながら、カタログを取りよせたり、住宅展示場や内覧会へ足を運んだりなど、建築会社を探さなければなりません。各社のプランや見積もり、仕様などを比較しながら決められる自由はある一方、それだけの時間と手間が必要。建築条件付き土地は、そういった時間や手間が軽減される。
◆間取りや設備が自由に選べるケースが多い
建築会社の指定はあるものの設計プランや設備、仕様などを自由に選ぶことができる点は、条件付き土地のメリット。
土地に合わせた建物プランや仕様が一定程度決まっていて、フルオーダーの注文住宅を建てる場合のような自由度がないケースも。
ライフスタイルや家族構成に合わせて建物にはこだわりたい場合は、どのくらい間取りや仕様、設備を選べるのかしっかりと確認することが重要。
◆建築過程を確認できる
建築条件付き土地は、注文住宅と同様に建築過程を確認することが可能。完成済みの分譲住宅や建売住宅にはないメリット。
建築中の現場を訪問することで、完成後には見えにくい床下や小屋裏、断熱材の作業状況などを確認でき、施工不良を防ぎやすい。
状況によっては、現場監理の担当者に建物の施工の説明を受けられる場合もあります。
☆建築条件付き土地のデメリット
◆一定の期間内に間取りや仕様を決めなければならない
建築条件付き土地は、土地購入から一定期間内に建築請負契約を締結することが条件のため、間取りや仕様をその期間内に打合せし、決めなければなりません。
一般的に注文住宅で間取りや仕様の打合せにかかる期間は、3~6カ月程度といわれて、決めきれない場合でも請負契約や着工時期をずらすことが可能。
一方、3カ月程度の期間内が条件となっている建築条件付き土地は、少なくとも建築請負契約が締結できる程度までのプランや仕様、設備などを決めなければなりません。
3カ月では十分に検討する時間がとれない場合も。時間をかけて建物の打合せができない点はデメリット。
◆建築会社を自由に選べない
建築条件付き土地の場合、建築会社を自由に選ぶことができません。
建築をおこなう会社によって外観デザインや工法、仕様などの特徴は異なり、外観デザインの種類も和風やシンプルモダン、北欧風、アメリカンスタイルなどさまざま。
工法によって間取りの自由度も異なり、省エネ性能や耐震性など住宅性能も違います。
建築条件付き土地で、好みやこだわりに合わせた家づくりをしたい場合、その建築会社がどういった特徴を持つのかを確認したうえで判断することが大切。
◆相見積もりが取れない
建築条件付き土地は、建築会社が決められているため相見積もりをとれません。
家を建てる際、建物本体工事費から付帯工事費、諸費用などさまざまな費用が必要。価格帯は建築会社によって異なります。
注文住宅は、建築費用は数社の見積もりを比較することが可能。各社の見積もりをとることで、同じ条件で建築坪単価が比較でき、コストダウンにつなげられる場合もあるでしょう。
建築条件付き土地は、このような比較はできず、建築費用の妥当性がわかりにくい点はデメリット。
◆注文住宅ほど自由度が高くないことがある
建築条件付き土地は、注文住宅ほど建物の自由度が高くないことがあります。
間取りは自由に決められる一方で、内外装の仕様や設備は基本プランからしか選べないようなケースも。
土地購入から一定期間内に間取りや仕様を決め、工事請負契約を締結しなければならないことから、間取りや仕様のすべてを自由に選ぶことが難しい場合も。
☆まとめ
建築条件付き土地は、土地の売買契約時点で一定期間内に建物の請負契約を締結することを前提とする契約。
手続きは別ですが、実質的には土地と建物を同時に購入できるため、土地代金を抑えられるケースや建物の仲介手数料が不要などのメリット。
間取りやデザイン、仕様の自由度、自分の好みに合うかなど、土地の購入段階から建築会社としっかり確認しておかないと、のちのち後悔する可能性も。契約手続きも、工事請負契約の締結に至らなかった場合の取扱いを確認しておきましょう。
「土地は気に入っていたのに、完成した建物に満足できない」とならないように、自分に合う条件をしっかりと見極めて土地探しを進めるのがおすすめ。





