カテゴリ:建築関連 / 投稿日付:2025/07/01 17:30
注文住宅のおしゃれな窓 ライブバージョン
☆窓によって住宅の印象・住みやすさが変わる
光や風の入り口となる窓は、通風性や採光性を左右するパーツで、快適性に大きく影響。外観にも関わるため、家のおしゃれさも左右する重要なポイント。窓によって注文住宅の満足度が大きく変わる場合もあるでしょう。
それだけ重要な役割を担っているからこそ、窓は建築基準法でも一定の規則が設けられ、「窓は居室の床面積の7分の1以上になること」「ひとつの部屋に開口できる窓を2つ以上設置すること」など基本的なルールをおさえつつ、快適さとおしゃれさを追求して窓を選びましょう。
☆注文住宅でおしゃれな窓を選ぶコツ
◆窓の種類にこだわる
どういった種類の窓があり、それぞれどんな特徴があるかを理解。
◆窓の配置にこだわる
窓のレイアウト場所が少し異なるだけで、家の印象はもちろん採光や通風性も変わり、使い勝手のよさを追求するなら、それぞれの窓の位置を踏まえて、取っ手の形状や場所までこだわるのがおすすめ。
◆窓のデザインにこだわる
窓を決める際は、デザインにもこだわり、サッシの色やガラスのタイプもさまざまなものがあり、窓の周りにモールを付けることでも雰囲気がガラリと変わります。
◆窓のサイズにこだわる
窓の大きさにもこだわりたいところ。リビングであれば横幅180~240cm、高さ150~210cmが平均的なサイズであるといわれています。部屋をどのような雰囲気にしたいのか、あるいは立地・環境によっても、最適なサイズは変わります。
◆注文住宅全体でのバランスにこだわる
窓を決めるときは、リビングや寝室などの部屋ごとにどういったものがいいかという視点で考え、家全体のバランスを考えるのも大切。注文住宅の窓は家の中の雰囲気だけでなく外観もイメージしながら検討。
☆注文住宅の窓の種類とメリット・デメリット
◆開閉方法の種類
★引き違い窓

複数枚のガラスを左右にスライドさせて開け閉めする「引き違い窓」は、日本の住宅でもっとも一般的なタイプ、さまざまな種類があり、リビングやダイニングなどの広い部屋からキッチンや寝室、洗面所などの限られたスペースまで、さまざまな場所に適しています。用いられやすい窓のため、比較的安価な点も魅力。
メリット | ・開閉しやすい ・開け幅を調整しやすい ・省スペース ・比較的安価 ・サイズや規格のバリエーションが多い |
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デメリット | ・窓全体を開けることができない ・外からの侵入を防ぎにくい ・外からの視線が気になる ・気密性が高くないため断熱性が低い |
★縦すべり出し窓

「縦すべり出し窓」は縦方向を回転軸として、外側にすべり出すよう開閉する窓。風を取り込みやすいため、キッチンや浴室、トイレなど、換気性能を重視する場所に設置するといいでしょう。スタイリッシュな印象でデザイン性が高いのも魅力。
メリット | ・風を取り込みやすい ・気密性が高い ・狭いスペースに設置しやすい ・デザイン性が高い |
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デメリット | ・強風の場合、開閉しにくいことがある ・雨天時に開けていると窓の内側が濡れる ・窓の解放するほうにスペースが必要 |
★横すべり出し窓

外側にすべり出すようにして開閉するのは、縦すべり出し窓と同じ、横すべり出し窓は、窓の下部を外に押し出して開けるタイプとなっています。気密性と防犯性が高いのがポイント。
メリット | ・雨が入りにくい ・気密性が高い ・狭いスペースに設置しやすい ・防犯性が高い |
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デメリット | ・強風の場合、開閉しにくいことがある ・縦すべり出し窓よりも通風性が低い ・窓を解放するほうにスペースが必要 |
★FIX窓(はめ殺し窓)

採光や眺望を目的として使われることが多いのが、「FIX窓(はめ殺し窓)」です。気密性や断熱性、防音性が高いため、さまざまな部屋で活用でき、開閉できず窓から落下する危険性がないため、子ども部屋でもよく使われるタイプ。
メリット | ・サイズや形のバリエーションが豊富 ・気密性が高い ・採光性が高い ・防犯性が高い |
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デメリット | ・掃除をしにくい ・換気ができない ・非常口として使えない |
★上げ下げ窓

ガラスを上下にスライドさせて使う「上げ下げ窓」は、洋風のおしゃれな雰囲気を作りたいときにぴったり。基本的に縦長であるため、リビングのほか階段などに設置するのにも向いています。
メリット | ・気密性が高い ・風通しがよい ・防犯性が高い ・見た目がおしゃれ |
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デメリット | ・開閉にコツがいる ・カーテンとの相性がよくない ・比較的高額 |
◆形状・設置位置の種類
★腰高窓(肘掛け窓)

「腰高窓」は、腰の高さほどにある窓のこと、一般的に床面から80~90cmの高さに設置。座った時に肘をかけやすいことから「肘掛け窓」と呼ばれることも。出入りはできないものの、採光性と通風性が高く、窓下にチェストなどの家具を配置することができる点も魅力。ダイニングや書斎、寝室などに設置するのがおすすめ。
メリット | ・窓下の空間を活用できる ・狭いスペースに設置できる ・外部から侵入されにくい |
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デメリット | ・外部へ出入りできない ・大型家具や家電の搬入出に不向き |
★掃き出し窓(地窓)

「掃き出し窓」は、窓の下部分が床まである窓を指し、家の中と外を行き来したい場所にもっとも適して、ベランダに隣接している寝室にも向きますし、庭につながるリビングに設置すると、出入りできるだけでなく屋内から庭の景色を楽しむことも可能。
メリット | ・出入りしやすい ・採光性に優れている ・通風性に優れている |
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デメリット | ・防犯性が低い ・断熱性が低い |
★スリット窓

細長い窓を「スリット窓」と呼び、縦長と横長の2種類があり、採光を目的に使われることが多く、玄関や階段など暗くなりがちな場所に取り入れるのがおすすめ。
メリット | ・採光性とプライバシー保護が両立できる ・防犯性が高い ・デザイン性に優れている |
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デメリット | ・時間帯や季節によっては採光性が不十分になる ・複数並べて設置することが多くコストがかさみやすい |
★ルーバー窓(ジャロジー窓)

「ルーバー窓(ジャロジー窓)」はハンドルを回すことで羽根が回転し、比較的楽に換気できるのが魅力。羽根を半透明にすることが多く、採光性が低い一方プライバシーが保護される側面があり、脱衣所やトイレに向いています。
メリット | ・換気性能が高い ・プライバシーを保護しやすい ・羽根を半透明にするとカーテンが不要 |
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デメリット | ・気密性が低い ・防犯性が低い |
★出窓

「出窓」のメリットは、突き出したスペースを活用できる点。写真を飾ったり植物を置いたり、好みの雰囲気を演出しやすくなり、廊下の突き当たりやダイニングに設置すると、広々とした印象になって空間に変化が生まれます。
メリット | ・部屋が広く感じる ・出張った部分をインテリアスペースとして使える ・デザイン性が高い |
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デメリット | ・断熱性が低くなりやすい ・雨戸を設置できず雨漏りしやすい |
★高窓

壁面の上部に設置される「高窓」は、採光性に優れているのが大きなメリット。吹き抜けにつけると、明るさとともに開放感が生まれます。
メリット | ・自然光を取り入れやすい ・効率的に換気がおこなえる ・防犯面で優れている ・壁面を有効活用できる |
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デメリット | ・掃除がしにくい ・開閉しにくい ・設置する位置によっては室内が暑くなる |
★天窓

「天窓」は上階の廊下や階段の天井に設置されるのが一般的で、晴れた日には青空や夜空を眺められるのが魅力。遮光カーテンやブラインドを設置すると、夏の暑さや強い日差しが緩和できます。
メリット | ・採光性が高い ・防犯性が高い ・プライバシーを保護できる |
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デメリット | ・掃除がしにくい ・雨音が響く |
☆注文住宅の窓の数によるメリット・デメリット
◆窓が多い家
◇メリット
- ・明るくなる
- ・家が広く見える
- ・眺望がよくなる
- ・風通しがよくなる
◇デメリット
- ・建築費用がかかる
- ・外からの視線が気になりやすい
- ・掃除の手間が多い
- ・家具を置く位置が限られる
- ・耐震性が下がる可能性がある
◆窓が少ない家
◇メリット
- ・断熱性が上がる
- ・建築費用が抑えられる
- ・家具配置の自由度が上がる
- ・プライバシーが保たれる
◇デメリット
- ・日当たりが悪くなりやすい
- ・風通しが悪くなりやすい
- ・あとから窓を増やしたくなった場合に費用がかさみやすい
☆注文住宅の窓を決めるときのポイント
◆家具の配置を考える
注文住宅の窓選びは、実際にどういった家具をどこに置くかまで考えたうえで決めると失敗しにくくなります。せっかく窓を設置しても、その前に家具が置いては光が入りませんし、風も通りにくくなり、窓からどの程度の光が注ぐかまで考えると、家財の傷みを最小限にとどめることができます。
◆プライバシー・防犯性を考える
窓は家の内部と外部をつなぐものであるため、窓外の環境を踏まえて決める必要があり、道路に面した場所に大きな窓を設置してしまうと、外を通行する人の目線も気になり、日常生活で目に付く頻度が低い裏口付近の窓などは開閉の簡単なものにしてしまうと防犯性が低くなってしまう。場所や使用頻度を考慮してプライバシー・防犯性も検討すること。
◆デザイン性を考える
窓は部屋の雰囲気を左右するパーツであるとともに、外観の印象にも影響。コストをおさえたいとしても、居心地良くおしゃれな家にしたいのであれば、デザイン性に妥協せずに選びたいもの。
◆断熱性・気密性を考える
窓は外気の影響を受けやすいため、断熱性や気密性を意識し、断熱性や気密性が高いと、住み心地がいいだけでなく、冷暖房の効率がよく光熱費の削減にもつながります。
複層ガラスの断熱性能は、1枚のみのフロートガラスの約2倍、サッシも、アルミより樹脂製のほうが気密性は高いといわれ、窓に使われている材料の特徴も考慮して選ぶのもおすすめ。
◆日当たりを考える
日当たりについて、しっかり確認したうえで窓を決め、「いざ住んでみたら、夏はしっかり光が入ったのに冬はあまり日が入らず寒い」や「夕方の西日が思った以上に強かった」など、想定外の事態は少なくありません。時間の経過や、季節の変化を踏まえて考えるのがポイント。
◆採光を考える
採光性を考慮するのも窓を選ぶうえで大切なポイント。どこに窓を設置すればより多くの光を取り込むことができるのか、部屋の用途などによっても望ましい光量は異なるでしょう。それぞれ適した採光量になるように検討。
◆風通しを考える
採光性とともに、家全体の風通しを検討。風通しがよくないことが想定されるのであれば、窓の枚数を増やしたり大きいサイズに変更したりし、そのほかに横すべり出し窓を縦タイプに変えるのも一つの対処法。