カテゴリ:不動産お役立ち情報 / 投稿日付:2025/05/29 18:00
木造の準耐火建築物とは? ライブバージョン
建築物を建てる場合、建物の規模や用途、建てる地域によっては耐火性を保つ構造にすることが義務付けられています。
☆耐火構造と防火構造との違い
「耐火」と「防火」は似た言葉ですが実は意味が異なります。
◆耐火構造
耐火構造とは、建物の主要な構造部分である屋根や柱、梁、壁などを燃えにくい材料(鉄筋コンクリート、レンガ、モルタルなど)でつくること、建物内部で火災が発生した場合に一定時間延焼を防ぐ構造。火災の拡大を抑え、建物の倒壊を防ぎつつ、避難や消火活動の時間を確保することができ、耐火構造の建築物は建築基準法で定められた耐火性能を持ち、火災による被害を最小限に抑えることができます。
◆防火構造
防火構造とは、建物の外部で火災が発生した際に、炎が建物内へ燃え移るのを防ぐための構造。外壁や軒先などに防火性能のある建材を使用し、周囲の火災による延焼を防ぎます。防火構造は、特に住宅密集地や隣接する建物との距離が近い場所で重要とされ、近隣で火災が発生しても自らの建物への影響を抑えることを目的。
一般的に、耐火構造の建築物には防火構造も含まれており、建物内部・外部の両方の火災リスクに対処できるようになっています。そのため、耐火構造の建物は、より高い安全性を備えた建築物といえる。
★耐火建築物と準耐火建築物
耐火構造の建築物には、大きく分けて「耐火建築物」と「準耐火建築物」の2種類。これらの建築物は、火災発生時に一定時間倒壊を防ぐように設計されており、それぞれ耐火性能の基準が異なります。
◆耐火建築物
耐火建築物は、柱や梁、壁、屋根などの主要構造部が燃えにくい材料で構成され、建築基準法に基づいて1~3時間の耐火性能を持つことが求められます。これにより、火災時の延焼や建物の崩壊を防ぎ、避難や消火活動の時間を確保することができる。
◆準耐火建築物
準耐火建築物は、耐火建築物よりもやや緩やかな基準で設計され、最大で1時間の耐火性能を有します。準耐火構造は住宅や中小規模の建築物などに適用されることが多く、一定の防火性能を備えながらも、建築コストや設計の自由度を確保することができます。
防火地域や準防火地域に指定されているエリアで住宅を建てる場合、法律に基づいて一定の耐火性能を持つ構造とすることが義務付けられることがある。
防火・準防火地域は、主に都市部の建物が密集しているエリアを中心に、都市計画法によって定められています。火災が発生した際に被害が広がりやすい地域では、耐火建築物や準耐火建築物の基準を満たす必要があるため、建築計画を立てる際には十分な確認が必要。
☆木造の準耐火建築物とは
◆木造でも準耐火建築物は建てられる?
準耐火建築物とは、主要構造部が準耐火性能の条件を満たし、延焼ライン(延焼の可能性がある部分)内の開口部に防火設備(防火戸)を備えた建物のこと。
屋根は30分、軒裏は60分、外壁は60分、条件によっては天井材に45 分の準耐火性能を確保する必要。延焼ライン内の開口部には、網入りガラスの防火窓などの防火設備を設置することが条件。
木造でも準耐火建築物を建てることは可能。主要構造部や延焼ラインの設計には注意が必要、外壁や石膏ボードの厚みがやや増す程度であり、基本的には見た目が一般の住宅と大きく変わることはありません。
木造の準耐火構造の住宅を建築する場合は、建築基準法で定められた準耐火建築物の構造基準や、消防法に基づく消火設備の設置基準を確認しておくとよいでしょう。適切な基準を満たすことで、安全性を確保しながら、通常の住宅と変わらないデザイン性を保つことが可能。
★木造の準耐火構造の家を建てるメリット・デメリット
◆メリット
準防火地域で準耐火構造の家を建てる際の大きなメリットは、建蔽率(建ぺい率)を上乗せできること。準防火地域の準耐火建築物は、10%多く建築面積を確保できるため、面積にゆとりのある家づくりが可能。
準防火地域で建蔽率50%の地域に準耐火建築物を建てる場合、建蔽率は60%になり、建物の面積が思うように確保できない場合は、準耐火構造にすることで少しでも広い家を建てることが可能に。
耐火性能を備えながら木材の温かみを活かすデザインが可能なのは、木造の準耐火建築物のよいところ。RC造の耐火建築物などと比べてコストも抑えることができます。
◆デメリット
準耐火構造の家は、ややコストが高くなり、延焼のおそれのある部分の外壁の開口部には、防火設備の設置が義務付けられているため、サッシを木枠にすることが難しいなど、デザインの自由度が制限される可能性があります。
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