カテゴリ:不動産お役立ち情報 / 投稿日付:2025/02/28 17:00
スキップフロアの間取りとは?メリット・デメリット ライブバージョン
通常の2階建てや地下などとは一味違い、ちょっと個性的でおしゃれなデザイン感も出せるスキップフロア。部屋の一部を段違いにしてスペースを確保するため、限られた空間を効率的に活用できる間取りとして人気です。
スキップフロアの概要をはじめ、具体的なメリット・デメリットや設置時の注意点などをご紹介。
◇スキップフロア(ステップフロア)とは
スキップフロアとは、部屋の一部に段差を設けて、階層的に空間を分けてスペースを作った間取りを指します。別名ではステップフロアと呼ばれたり、比較的低めの段差や和室の場合には、小上がりといわれたりするケースもあります。スキップフロアでは、一般的な2階建てのように床や天井段差によって完全に階を区切るのではなく、スペース分けしながらも各空間は開放されているのが特徴。縦の空間を活用して、上下でスペースを確保しつつも、それぞれの空間は遮断されない点に魅力。
ロフトとの違いは?
スキップフロアと似たように階層的な間取りとして、賃貸物件などでもよく見られるロフトがあり、天井に近い高さに設置される段違いのスペースで、スキップフロアと同様に各空間は階で分けずに開放された間取りになります。ちなみ、建築基準法では小屋裏物置等との名称が付いており、天井や床までの高さや床面積などには規定があり、ロフトの定義としては、天井までの高さ1.4m以内など、さまざまな制限が設けられています。スキップフロアは、特別な制約なく設置できる点が大きな違い。
◇スキップフロアの代表的な間取り
階段の踊り場に作るスキップフロア(中二階)
スキップフロアでよくあるのは、中二階式の間取り。階段の踊り場を広めに確保してスキップフロアを設けています。

中二階式であれば、通常の2階や3階に加えて、ちょっとしたスペースがほしい時に便利。特に階段の踊り場を使えば、書斎や趣味用などの小スペースにも向いています。
高い段差に作るスキップフロア(中二階)

リビングなど、一つの室内で部分的に段違いにして、スキップフロアを作って中二階を設ける方法。階段の踊り場よりも、もう少し広めのスペースを取りたい時に。
平屋の屋根裏に作るスキップフロア

平屋でなるべく多くのスペースを確保したい場合には、ロフトにも近いような、屋根裏式のスキップフロアを設けるのもいい方法。スキップフロアなら、空間が遮断されづらく家族の顔が見えやすいなど、平屋ならではの利点を活かしつつ必要なスペースを取ることができます。
半地下に作るスキップフロア

メインスペースよりも低位置にスキップフロアを設ける、半地下式にする方法もあり、メインスペースから視界に入りづらいため目隠し的にも活用しやすく、収納などに使いたい場合にも向いています。
◇スキップフロアのメリット
室内をおしゃれに見せる
壁やパーティション(パーテーション)などで空間を分ける方法もありますが、段差を使ってそれぞれのスペースを見せるように区切ることで、立体感のあるおしゃれな雰囲気を演出。各スペースの仕切り感が少ないため、圧迫感もなく、開放的な印象にしやすいのも魅力。
実面積よりも空間を広く確保
水平方向ではなく垂直方向の空間を使って、スペースを多く確保できるメリット。敷地面積が小さい狭小住宅でも、スキップフロアのように階層的に空間を作ることで、床面積自体は広がることになります。1階建ての平屋でも、スキップフロアによって上下のスペースを設けることで、土地を大きくせずに床面積を増やすことが可能。
階段下や屋根裏などデッドスペースを有効活用
上下どちらにも有効に活用できるスペースを確保しやすい特徴。スキップフロアの階段下を収納にしたり、床の下部分にちょっとしたスペースを作ったりなど。屋根裏をスキップフロアにして、隠れ家のような空間を設けるなど、さまざまなアイデア。
日当たりや風通しがよくなる
基本的に壁やドアがないため光を遮るものがなく、部屋全体に日光が入りやすいメリット。フロア全体が開放されたような状態になっているので、風通しもよく空気がこもりにくいのも利点。
家族のコミュニケーションが取りやすくなる
完全な個室を作ってしまうと、それぞれが自分の部屋にいる時には、なかなかお互いに顔を合わせづらくなる一方で大きな仕切りのないスキップフロアなら、個々が別の空間にいたとしても、お互いの姿が見えるためコミュニケーションが取りやすいメリット。常に家族の存在をそばに感じられる温かみがあるのも、大きな魅力。
◇スキップフロアにはデメリットも
掃除が大変
スキップフロアを作ることで、どうしても段差が生じてしまうため、フラットな床に比べると掃除がしづらくなる一面も。その都度掃除機を持ち上げて移動する必要があるので、ちょっとした手間となり、日々の生活のなかでは意外と面倒に感じる場合も。また段差があると、お掃除ロボットも使いづらいため、掃除の負担になりやすい可能性も。
対応できるハウスメーカー・工務店が限られる
一般的な間取りに比べると、スキップフロアを設けることで構造が複雑になりやすく、設計や建築も難しくなりやすい部分も。またスキップフロアの形式次第では、耐震性の部分で、より高度な技術が求められるケースも。いずれにしても、通常より難易度が高くなるため、対応できるハウスメーカーや工務店の母数が少ない一面も。スキップフロアの設置ができる施工会社を探す必要があります。
バリアフリーではなくなる
スキップフロアによって部屋に段差が生まれてしまうと、足腰に不安のあるご高齢者や小さいお子さんにとっては、転倒してケガなどをする危険性も高くなり、バリアフリー設計ではなくなるので、実際に取り入れるにしても、できるだけ安全な配置などの工夫が必要。
冷暖房が効きにくくなる
スキップフロアでは、仕切りがなく一つの部屋の空間が広くなりやすいため、冷暖房効率が低くなりやすい一面も。冷暖房の効きが悪いと、快適な室温に維持しにくいうえに、電気代がかさんでしまうのも難点。こうした空調の効き方や電気代も考慮するのであれば、できるだけエアコンが効きやすい場所に設置するなど工夫する必要があります。
広い間取りなどではサーキュレーターを活用すると冷暖房の効果を受けやすくなるかもしれません。
ニオイや音が広がりやすくなる
スキップフロアでは各スペースを遮るものがない分、ニオイや音が空間全体に広がりやすくなり、キッチンで調理したニオイなども、別のスペースに移ってしまう一面も。またスキップフロアでは空間の共有がしやすいものの、「テレビの音がワークスペースに届いて集中しづらい」など、工夫しておかないと不便に感じることが出てくる可能性も。しっかりと普段のライフスタイルを考慮しながら、間取りを考えていくことも必要。
コストが割高になる
設計や建築の難易度が高いうえに、デザインも複雑なのでマイホームの施工費用や購入費用などが割高になる部分もあり、予算が気になる場合には、コスト面とのバランスも考えながら、無理のなくスキップフロアを取り入れられるように。
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